近江鉄道のハンドメイド電車220形 -その1- 日常運行編 2010年撮影

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こんにちは。10月の列車です。

滋賀県のローカル私鉄 近江鉄道で、1991年から2015年頃まで活躍していた珍種の電車「220形」をご存じですか? この220形は、大手私鉄などから譲渡された中古電車ではなく、近江鉄道自社の彦根工場で製造されたんです。しかし平成に入っている1991年なのに、なんと吊り掛け駆動。そうです、西武鉄道はじめ各社から集めてきた中古鉄道部品を中心に使用した「新古車」とも「ハンドメイド電車」ともいえるとってもユニークな電車だったのです。16メートルの短い小さな車体で、時には混雑にあえぎながらも21世紀まで頑張って近江路を走っていたのです。

今回は、ぜんぶで6両製造された220形電車の活躍のようすを2回シリーズで振り返ります。1回目のこの記事では2010年11月に撮影した、近江鉄道線内で日常の定期列車として走る220形の元気な姿を掲載します。

※この近江鉄道220形は西武鉄道からの譲渡車両ではありませんが、西武鉄道由来の部品などを多用していることや、近江鉄道自体が西武グループであり西武鉄道ファンの関心も高いことから「あの頃の西武鉄道」カテゴリーに分類させて頂きました。

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近江鉄道を走る日常の220形に会いに行こう!

八日市駅を出ていく226号車と昼寝中の222号車

近江八幡駅から八日市行きの電車で八日市駅に着くと、さっそく220形が出迎えてくれました。貴生川方面の途中駅である日野行きの220形、226号車です。白いライオンズカラーにレオマークがまぶしいです。

この226号車 日野行きが発車するところを動画で撮影していました。独特の吊り掛け駆動音が響き渡ります。奥にもう1両の220形が昼寝をしていますね。

昼寝をしているのは222号車です。220形は旧式の吊り掛け駆動ながら冷房装置はちゃんと装備しており、しかも架線電圧1500Vを降圧することなくそのまま使える特別仕様です。もし低い電圧で作動する冷房装置を搭載したら、補助電源装置もそれ相応の大型のものを搭載せねばならず、単行電車ではスペース的に厳しいからだと思われます。JR東日本が一時期103系や113系などに改造搭載していた「インバータクーラー」と似た考えですね。

彦根行き223号車に乗車する

留置線から223号車が出庫してきて、3番のりばを通過します。この223号車が私が乗車する彦根行きになるようです。奥の800形のお顔は220形のお顔をベースに設計されたものと思いますが、800形も最初の1本は白いライオンズカラーだったので様になっていたものの、その後はご覧のような西武イエローを継承するようになったので、窓回りのブラックも無く、いまいち締まりのない感じになってしまっています。

彦根方面の2番のりばに到着した223号車です。待っていた乗客が乗車しています。学生さんの乗らない昼間は本当にこの220形1両の輸送力で十分でした。

近江鉄道の社紋と223号車の車番表示。金属製の切り抜き文字です。個人的な話ですがこの「223」という数字を見ると、どうしても西武グループを創設し君臨した堤オーナー(2=つ 2=つ 3=み)を想起してしまいます(笑) 実際近江鉄道は、堤康次郎の故郷に近い愛知川(えちがわ)駅も通っていますからね。

彦根行きとして発車を待つ220形、223号車です。奥のパチンコ店?の看板が気になって目が~!吸い寄せられたようです(笑)

発車直前、800形の「教習車」が彦根方面から走ってきました。お師匠さんと思しき方が横に乗っているのが見えます。

豊郷駅で223号車をお見送り

降りる直前、223号車の貴生川寄り運転席方面をなんとなく写しました。今はだんだん減ってきてしまいましたが、近江鉄道オリジナル電気指令式ブレーキの独特なブレーキハンドルがよく見えます。なおマスコンハンドルは多分?西武鉄道の発生品です。

豊郷駅にて223号車から下車しました。お目当てはみなさん予想がついていると思いますが、アニメ「けいおん!」の聖地である豊郷小学校旧校舎でした。今でも現地を訪れる人がいて、盛り上がっているのがすごいですね。

豊郷駅でダイドードリンコ広告車両の800形802編成とすれ違い、彦根駅を目指して223号車は発車していきました。

今日はここまで!

いかがだったでしょうか。

近江鉄道オリジナル、16メートル車体のミニミニ単行電車である220形を紹介しました。旧来の吊り掛け駆動ながらも、直流1500Vで作動する冷房装置や近江鉄道オリジナル電気指令式ブレーキなど、魅力満載の小さな電車でしたが、昼間や早朝深夜の閑散時間はいいものの、2両以上つなぐと1両ずつ運転士さんが乗らねばならならない等、通学ラッシュに対応できないところがあだとなったのか、220形の後継となる小型電車は近江鉄道には登場していません。時代も変われば電車に求められるものも変わっていくということでしょうか。しかし私たちは、ローカル私鉄である近江鉄道が中古部品中心とはいえ、220形という魅力満載の面白い電車を自社でつくり、利用客や鉄道ファンに親しまれていたことを忘れずにいたいものですね。

最後までご覧下さり、ありがとうございました。次回の -その2- もお楽しみにどうぞ!

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