こんにちは。10月の列車です。
京王「帝都」電鉄初の20メートル4ドア車両である6000系が登場したのは1972年、昭和47年でした。大量に製造され近代化の立役者として大活躍した京王6000系。今回はそんな京王6000系の晩年の姿を3回シリーズで振り返っています。最終回の第3回目はいよいよ完全引退が目前に迫り、競馬場線や動物園線で登場時のリバイバルカラーに復元された車両や、さよならヘッドマークを取り付けた6000系の姿をお届けします。
引退目前の京王6000系に会いに行こう!
リバイバルカラーになった2両編成
もう本当に引退まで秒読みとなった頃です。競馬場線で運用していた2本のうち、6416号車と6866号車の2両編成が、登場当時のえんじ色帯にリバイバルされました。
3つある表示窓のあいだもアイボリーに戻されるなど、細かいところまで手が込んでいます。
夏空にかつてのえんじ色帯車体が映えていました。シングルアームパンタグラフは、平成後期の世まで生き延びた証です。
夜の東府中駅に停車しているリバイバルカラー編成です。やはりヘッドライトが点いていると絵になりますね。
「K.T.R」もリバイバルされていました。えんじ色帯を見て懐かしく思った沿線住民の方も多かったことでしょう。
そして0.9kmの旅を終え、府中競馬正門前駅に到着。誰もいない夜が、今夜も更けていきます。
競馬場線でのさよならヘッドマーク
「ありがとう6000系」引退間近になり、駅には6000系電車の引退を知らせるポスターが張られました。
6000系たちからのメッセージです。ほんとうに、鉄道にとっては安全に最後までたどり着くことが最大の喜びですからね。読んでいる皆さんも、いつでも安全運行には協力しましょう。
さよならヘッドマークを取り付けた競馬場線の6000系です。こちらはリバイバルカラーではないほうですね。それでも撮影しに来る人が増えました。
反対の東府中駅側には青色のヘッドマークが付いていました。誰もいない駅も、6000系の引退でにわかに賑わったことと思います。
動物園線でのさよならヘッドマーク
こちらは例の5ドア車両が走る動物園線。こちらもさよならヘッドマークがつきましたが、多摩動物公園駅側のヘッドマークはまた趣の違ったデザインでした。若葉台乗務区の方が作られたんですね。
高幡不動駅側は、先ほどの競馬場線車両と同じようなデザイン。近づいてよく見ると「Keio」の文字を散りばめた、とてもお洒落なデザインでした。現場の方々にとっても、共に働いた仲間である6000系との別れは惜しいのでしょうね。
このようにヘッドマーク装着などのイベントを経て、39年間にわたり京王線に多大に貢献した6000系は、惜しまれつつ勇退していったのです。
以上になります!
いかがだったでしょうか。
私は「JR山手線といったら205系」だと未だに思っているかのように、恥ずかしながら今でも「京王線といったら6000系」の印象が抜けないのです。京王線を走る(旧)5000系にも乗ったことがありますが、たぶん最初に京王線で見かけた、四角くて非対称なお顔のアイボリーにえんじ色帯の4ドア車体が忘れられないんでしょう。車体が腐食しやすかった関係からかどこの鉄道にも譲渡されず解体されていった6000系ですが、多くの鉄道ファンや沿線住民の方々の中で、そして私の記憶の中で、京王6000系は今でも走り続けているのです。
これで、3回シリーズの京王6000系特集は終わりです。最後までご覧下さり、ありがとうございました。