
こんにちは。10月の列車です。
2016年の8月20日、当時は毎年夏の恒例行事となっていた 西武新宿線系統最大の車両基地「南入曽車両基地」における公開イベント「電車夏まつり」が開かれました。ちょうど西武池袋線で大注目を浴びていた「SEIBU KPP TRAIN」などの特別塗装車や、ずらりと4本並んだ旧2000系の2両編成車たちが脚光を浴びていましたが、旧2000系の先頭部に、当時廃線が決定したばかりの安比奈線を惜しむ看板が取り付けられ、私の感情がぐちゃぐちゃになる(笑)など、盛りだくさんのイベントでした。この記事では、そんな2016年の電車夏まつりを振り返ってみたいと思います。
2016年8月20日の南入曽車両基地に行ってみよう!
ピンク色の9000系9101編成ほか

いちばん左で目立っているのは、当時人気歌手の「きゃりーぱみゅぱみゅ」とコラボレーションしていたラッピング電車「SEIBU KPP TRAIN」の9000系9101編成です。きゃりー氏が西武鉄道沿線の田無出身という縁もあって実現したものでしたが、新宿線に貸し出された数週間以外はずっと池袋線での運行でした。奥にいる銀顔の6000系も「奥武蔵」ヘッドマークを取り付けるなど、楽しいことになっています。

撮影スポットの奥の方には、休憩車両として車内が解放されていた(ような気がする)二代目L-Trainの9000系 9108編成がいました。9108編成はいまは4両編成で多摩湖線用となりましたが、この当時はまだ10両編成で池袋線でブイブイいわせていた頃でした。奥の9101編成もピンク色車体のまま多摩湖線にやって来ていたら楽しかったのですが、残念ながら10両全車解体済。運命は紙一重です。

池袋線時代の9000系の方向幕は6000系と共通の内容だったため、このように「新木場」なんかも表示できてしまうのでした。隣の6001号車のスカートに描かれている黄色い「S」の文字は、かつて池袋線で6000系の地下鉄乗り入れ対応編成と非対応編成が混在していた頃に、両者を区別するべく乗り入れ非対応編成の池袋側先頭車に表記されていたものでした。今は6000系の西武線内専用編成は、先頭非常扉の上辺に黄色いラインをはり付けることで、ささやかに区別していますね。
4本勢揃いした旧2000系に「安比奈」の文字が

こちらには旧2000系の2両編成車が4本集められ、顔の位置を揃えて並んでいました。編成番号までは忘れてしまいましたが、左から2番目は3色表示LEDなので2413編成、いちばん右は幕式なので2403編成であったはずです。このときは、旧2000系かっこいいなと思いながら撮影していたのですが…!?

突如係員さんが、いちばん左の編成に「惜別 安比奈」という昔の行き先表示看板風の看板を、隣の2413編成にこれまた昔の行き先看板をもじった「南大塚 安比奈間」という看板を掲出したのです。これらを珍し気に撮影している一般鉄道ファンの皆さんの中で、私は心の中で大号泣でした。
今ではミュージカルも上演されている、鉄道路線を擬人化した鉄道擬人化漫画「青春鉄道(あおはるてつどう)」に西武安比奈線もキャラクターとして登場していたこともあり、今後廃線になったら彼はしんだり消えたりしてしまうのだろうか……と一抹の寂しさに襲われたものです(この時点では安比奈線廃止は決定していたものの、その時期は明らかになっていませんでした)。この画像を当時のTwitterに掲載したところ、青春鉄道ファンの皆さんからそれはまぁ大反響を頂きました。皆さん感情のもつれを起こしてしまったでしょうが、この感情を抱いてるの私だけじゃないんだ、と心強かったです(あの時はお騒がせしました)。

「惜別 安比奈」と「南大塚 安比奈間」の看板のアップです。周知のとおり安比奈線は貨物輸送専用線だったため、旅客営業の実績はありません。なのでこの看板たちはもちろん創作なのですが、まるで本当に使用されていたかのような出来に感動し、でもやっぱり心の中で大泣きして、と忙しかったです(笑)
なお、2017年5月31日をもって正式に廃線となった安比奈線ですが、「青春鉄道」の中では主夫ポジションで健在ですのでご安心下さい。そして皆さんも読みましょう!(布教)

しばらくして先の2枚の看板は外され、2413編成にまた新たな看板を係員さんがもってきたのですが……
三角形図形表示の「安比奈」行きイメージの看板でした。どうして架空のものなのに本当にあったかのような出来なの!? 私の心は泣き果てて脱水症状になったのは言うまでもありません。

さて、落ち着いてもっと撮影しようと広角気味に構えましたが、なぜかいちばん右の2403編成が画角に入っていません。いかに落ち着けていないかということですね。でもまぁそれもまたよき思い出。ここにいる旧2000系各編成はいずれも2417編成や2419編成ではないので(もしこの2編成だったら助手席側にもワイパーがある)、惜しくも解体され現存しないわけです。西武線上から消えてしまった旧2000系に続き新2000系もどんどん廃車になっていく昨今、こんな黄色い電車の勢揃いなんてめったに見られないものになっていくのだろうと思います。
以上になります!
いかがだったでしょうか。
鉄ちゃん以外からも注目を浴びていた「SEIBU KPP TRAIN」に、黄色い電車ファン垂涎の旧2000系4本並び。それだけでもすごいのに、廃止の運命となった安比奈線を惜しむべく係員の皆さんが作成したであろう看板の数々。これを超える鉄道イベントは個人的に無かったなと思うくらい、鮮烈に印象に残っている2016年8月20日のおはなしでした。この4日後、集中豪雨で線路沿いの法面が崩壊したことにより、現場に停車した多摩湖線の新101系261編成が傾斜、あわや脱線の危機ということもありました(脱線を回避したクハ1262号車は現在ベルーナドーム内の「L-train 101」となっています)し、いろんな意味での個人的な転機となった2016年の夏でした。現在は南入曽車両基地でのイベントは不定期で有料の事前応募制な感じになってしまっていますが、このようなオープンなイベントで青天の霹靂だったこの夏を私は忘れることはないでしょう。
最後までご覧下さり、ありがとうございました。

