こんにちは。10月の列車です。
札幌駅のとなりの桑園(そうえん)駅から分岐し、あいの里公園駅や当別駅などを経て北海道医療大学駅に達する路線「札沼(さっしょう)線」。最盛期の終点が留萌本線の石狩沼田駅ということで、「札」幌と石狩「沼」田を結ぶということで札沼線ですが、今の終点 北海道医療大学駅よりも先、新十津川(しんとつかわ)駅までの路線が2020年5月までは残っていました。訪問当時1日3本しか列車が来なかった(廃止時は1日1本になっていた)新十津川駅までぜひとも行っておきたいと思い、時間を合わせて単行気動車のキハ40-401に乗り込みました。この記事では、その時の写真をご覧にいれたいと思います。
単行のキハ40-401で新十津川まで行ってみよう!
新十津川までの途中駅
札沼線の2020年に廃止された区間(北海道医療大学~新十津川)の中では唯一すれ違い可能な駅だった石狩月形駅のひとつ手前、知来乙駅です。この日は9月上旬でしたがあまり暑くなく、窓をいっぱいに開けて風を感じながらの旅はとても気持ちのよいものでした。
札比内駅です。駅の近くに住宅はあっても、札沼線は札幌まで最速の交通手段ではありません。自家用車で直接目的地へ行くか、函館本線の特急停車駅へ出るほうが便利なのでしょう。
たしかこの駅は、新十津川のひとつ手前、南下徳富(みなみしもとっぷ)駅だったと思います。このように板を張っただけの簡素な駅も北海道には多かったですが、利用者が居なくなったなどで次々と廃止になってきています。1回停車するだけで余計な燃料消費になりますからね。
新十津川駅の様子
終点、新十津川駅に到着しました。しばらく行った低い木のあたりで、レールは途切れています。
「歓迎 ようこそ新十津川へ」この看板に歓迎された人たちは1日10人いたか、いなかったといったところでしょうか。ちなみに私が乗ってきた列車の乗客数は5人で、うち3人(私含む)が旅人だったのを覚えています。
このように何気なく撮っておいた駅名標看板が、のちのち重要な史料になるなんて。
新十津川駅の駅舎です。いかにも北海道の閑散地域の小さな駅という、たたずまいが哀愁を誘います。
新十津川駅の時刻表です。私は12時37分到着の列車に乗ってやってきました。
まもなく、折り返し石狩当別行きとしてキハ40-401が発車します。点字ブロックもなく舗装もされていない簡素なホーム1本だけの駅に、この頃は毎日絶えず列車がやって来ていたのです。
このあと私は50分ほどかけて函館本線の滝川駅まで歩き、そこからまた普通列車を乗り継ぎ札幌駅へ戻りました。冬なら絶対出来ない芸当ですね。排気ガスを出しながら発車していくキハ40-401をひとりで見送りました。
その6(最終回)へと続きます!
いかがだったでしょうか。
今は廃止されてしまった北海道医療大学駅~新十津川駅間の札沼線に乗車した時の様子でした。同区間を走るキハ40形がエンジンを交換され400番台となっていたのは、あまりにも豪雪地帯すぎて冬季に走行抵抗が大きく、エンジン出力を強化しないと走れないという理由だったようです。そこまでしても必死に守ってきた鉄路も、利用者がほんのわずかしかいないとなれば、鉄路のあり方を考え直すといった方向にいってしまうのも無理もないことでしょう。今ある鉄道路線、近年は災害復旧もするか否かという議論になることが当たり前になってきました。乗れる路線は、乗れるうちに楽しんでおきたいものですね。
最後までご覧下さり、ありがとうございました。その6(最終回)へと続きますので、どうぞお楽しみに!